株式投資とその周辺

初心者の勉強記録です

不機嫌さとアイベックスとおしりの話

 休日のデートらしいデート先と言って、混浴露天風呂が真っ先に思い浮かぶのであれば病的だと言われても仕方がないのかもしれない。しかし、雨が降っていると実際に楽しめるところというのは限られてしまう。美術館なんてのは、おしゃれなカップルが行くところであって、私などが行ったところですぐにこれは幼少期の性的トラウマを反映しているなどと評して(これはきっと偏見だが、0年代のオタクは作品を分析するときにすぐにどこかで聞きかじった原著を読んだことも碌にない精神分析的な解釈をしたがるものだからだ)、場をしらけさせてしまうということは容易に想像できる。

 これまでに複数回婚活だが恋活だか分からないデートをしてきた。ある時には高層湿原を20キロメートル散策させて、都会出身者を閉口させた。またある時には飲酒習慣のないインテリ投資銀行勤務マンの前でクラフトビールを大量飲酒して都市と田舎の教育・文化資本の格差、一方で都会的・現代人的な思想がいかに婚活にアンマッチでゆくゆくは実家の家業を継げば良いゴールが見えているデキコンするブルーカラーワーカーの幸福ついて舌鋒するどく論じてlineの連絡先をブロックされた。またある時は初回のデートで温泉旅館に行き、これは性交渉を前提とした会なのかを確認して不可なりとされ駄菓子を作って遊んだこともあった。

 雨の日には不適であるのに消去法的に牧場に行くことが多い。共通の話題がなくても生き物が動いてその感想をお互いに述べることで会話が途絶えることを防ぐ効果が期待できるからだ。そして、山羊が草を食むことについて感想を述べる方が、絵画を見ながら幼少期に解消されなかった性的な葛藤について話し合うよりもはるかにまだそれほど仲の良くない男女の会話として適しているからだ。

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 山羊といえば、崖を上っている写真や動画をよくみかけてとてもかわいらしい。おしりもぷりぷりしている。と思って調べてみたら、これは(アルプス)アイベックスというやヤギ属の生き物で純粋な所謂ヤギとは違うのかもしれない。乱獲で19世紀に一度姿を消して、その後放たれた個体だけが今はスイス国内にいるという記事を見つけたがwikipediaなので真偽は不明。

 

 電話を出る時にいつも「ありがとうございますー、はいー」と穏やかに話す先輩専攻医氏が、休日夜間の緊急性のない携帯電話への連絡に悩まされているという話をしていた。私の以前いた病院では気分の波が大きい医師がいたが、大体17時を回ると主治医がすでにいないのでと言って主治医がいた時間帯から続いていたイベントなのに当直医の私が病棟なら呼ばれてしまうことも多々あった。また、そういう医師に限ってカルテ記載がほとんどなく経過が不明で対応に難渋することもしばしばであった。

 不機嫌さを外部に表現できる人は仕事が少なくなる。自分の機嫌を自分でとることが大人なのだという言説もある。しかしこれも仕事をしたくない人が他人の気分を害するタイプの自己主張をすることが苦手でまっとうな誰かに仕事を押し付けるためにできた方便なのではないか、という気すらしてしまう。環境に適応的であることの結果が、アイベックスのすがたみたいな愛らしい形質として表現されるのではなくて、職場では他人を不快にすることでしか成立しえないのだとしたら悲しい。

 そういえば、お尻というかおなかというか、あのあたりのぜい肉をラブハンドルなどと呼ぶようだ。私が陸上部で走っている時におけつがぷりぷりしていて走り方が特殊とコメントをいただいたことがあった。わたしはせめてこのこのかわいらしい形質で不機嫌さなく仕事が減れば良いと思う。もっと無能っぽくふるまうなどか? 昔からゾンビ映画でやってはいけないことをするのは金髪の巨乳(で、最初に死ぬのはナードの主人公をいじめていたアメフト選手)と決まっているのだから。ラブハンドルが私を幸福に導く……。